今回は医療関係者むけのお話で、産業医という資格取得のお話です。
現在、ぼくは20事業所近くの嘱託産業医を行っています。
産業医のアルバイトは予防医学の勉強になるし、単価も高いからおすすめです!
取得していない方はぜひ取得をおすすめします。
ぼくは産業医科大学で行われている短期集中講座ではなく、日本医師会の講習会をコツコツと受け、単位を取得しました!
今回は資格を得られるまでの道のりを紹介します。
短期集中講座のまとめもあります。
こちらからどうぞ。
2020.4.24 追記
新型コロナウイルス感染症の影響でコツコツ受講する方法も短期集中講座も中止が多くなっています。
今の流行状況だと2020年度に資格を得るのは難しいかもしれません…
はじめに。産業医の資格取得から実際に嘱託産業医を行うまでの道のりについて
産業医の資格取得から嘱託産業医(産業医のアルバイト)をおこなうまで、実際にはいろんな事が必要です。
1つの記事に書くことは難しいので、徐々に作成し、公開していきたいと思います。
まだ完成ではありませんが、まとめ記事が形になったので公開します。
産業医の取得方法は?
産業医は医師の誰もがなれるわけではなく、以下の要件を満たすものが産業医となることができます。
- 労働者の健康管理等を行うのに必要な医学に関する知識についての研修であって厚生労働大臣の指定する者(法人に限る。)が行うものを修了した者
- 産業医の養成等を行うことを目的とする医学の正規の課程を設置している産業医科大学その他の大学であって厚生労働大臣が指定するものにおいて当該課程を修めて卒業した者であって、その大学が行う実習を履修したもの
- 労働衛生コンサルタント試験に合格した者で、その試験の区分が保健衛生であるもの
- 学校教育法による大学において労働衛生に関する科目を担当する教授、准教授又は講師(常勤勤務する者に限る。)の職にあり、又はあった者
- 前各号に掲げる者のほか、厚生労働大臣が定める者
簡略化すると、産業医科大学出身以外は上記の要件を満たすためには以下の方法で取得することになります。
- 産業医科大学や自治医科大学などが行っている短期集中講習会で取得する。
- 日本医師会の講習会をコツコツとこなし、単位数を取得する。
- 労働衛生コンサルタント試験を受け、合格する。
3.は勉強の必要があり、実地経験がないと合格できないような試験なので今回は省きます。
事実上、
- 産業医科大学や自治医科大学が行っている短期集中講習会
- 日本医師会の講習会を受けて、単位数を取得
の2つしかないかと思います。
ぼくが選択したのは日本医師会の講習会で単位を取得する方法です!
結果、こっちで取得してよかったと思っていますので、ご紹介していきたいと思います。
日本医師会の講習会とは?
その名の通り、日本医師会が開催している講習会を受けて、単位数を取得する方法です。
ぼくは東京都に住んでいたので以下のホームページから行ける日を選んで申し込みをしました。
ほかの道府県でも同じようなページがありますので、参照するとよいと思います。
ちなみに日本医師会のホームページからだと申し込みページにいけないので、あまり使いませんでした。
日本医師会の講習会の取り方!どれくらいかかったのか?
産業医講習会は全部で50単位(1単位1時間)の取得が必要です。
前期が14単位、実地が10単位、後期が26単位必要となります。
前期講習会の14単位は2日間で行われるのが一般的です!
産業医前期講習会が鍵を握ります!
産業医講習会の1番の難関は、前期講習会の取得です。
どの都道府県も年に1回ずつしか行われていないようで、これが最大の難関となります。(前期から取る必要はありません。ぼくは後期・実地から取得しました。)
2か月に1回(偶数月の1日)に更新されるので、偶数月はこまめにサイトをチェックしていました。
後期・実地の講習会も埋まるのは早いですが、偶数月の数日くらいで申し込めば問題なく取得できました!
東京都の前期講習会が例年3月に開催されるので、東京都の講習を受けたい場合は、2月1日に申し込みましょう!
50単位取得の日程と費用
ぼくが50単位取得した日程と費用は下記になります。
ぼくの場合は、2016年3月から開始し、9か月後の12月に全単位を取得できました。
市中病院勤務であったため、当直でなければ参加できることも多く、ゆったりとしながら取りました。
頑張ればもっと早く取れるのかもしれません。
- 3/12-13 東京都医師会産業医前期研修会 前期研修 14単位(30,000円)
- 6/19 中央区医師会産業医研修会 後期研修 7単位(12,000円)
- 7/16-18 日本医科大学産業医研修会 後期研修 12単位、実地研修8単位(50,000円)
- 9/24 順天堂大学医師会産業医研修会 実地研修 3単位(12,000円)
- 12/3 東京女子医科大学産業医研修会 後期研修 4単位(15,000円)
- 12/17 東京医科大学産業医研修会 後期研修 5単位(5,000円)
トータルの日程としては9日間、全53単位(前期研修 14単位、後期研修 28単位、実地研修 11単位)を取得しました!
費用は12,4000円でした。
ぼくは医師会に入っていないので、費用はかさみました。
医師会員だと研修会によっては半額というところも多いので、医師会に入っている方だとこの費用から3-4割安く済むかもしれません。
得なのか?損なのか?
得なのか、損なのか、調べてみました。
比較対象は産業医科大学で行われている産業医学基礎研修会集中講座というものがあります。
これは夏季に月曜-土曜の6日間連続で講習を受けて、産業医の資格を取得するという方法です。
[pz-linkcard-auto-replace url="http://www.uoeh-u.ac.jp/medical/training/scCourse.html"]ぼくが産業医の資格取得を考えていたとき(2016年)以前は、費用は80,000円でしたが、今は100,000円に増額されています!
講習会だけで比較すると産業医学基礎研修会集中講座の方が得ですが、飛行機の費用や宿泊費を考慮すると講習会でこまめに取得するほうが安く済むことがわかります。
下記に簡単に計算してみました。(今回は東京にいることを想定しての計算です。)
コツコツ単位を取得する場合は、1回の交通費は数百円で済みます。往復1,000円だとしても9日間であれば、9,000円ですね。
集中講座の取得は、羽田から福岡へ行く飛行機代・ホテル代がかかります。
安くても(夏なのでこんな安く取れない気がしますが)、飛行機の往復で20,000円、ホテル1泊7,000円(5-6泊必要なので、35,000-40,000円)かかってきます。
費用まで計算すると下記になります。
自宅から通える範囲でコツコツ取得
研修会費用 124,000円 + 交通費9,000円 = 133,000円
産業医学基礎研修会集中講座
研修会費用 100,000円 + 交通・宿泊費 60,000円 = 160,000円
となりコツコツ講習会で取得するほうが安くなります。
ほかにも自治医科大学や東京医科歯科大学でも集中講座は行っているので、首都圏近郊の方であれば、コツコツ取得より安くなるかと思います。
短期集中講座についての記事もあります。こちらから。
どっちがおすすめ?
コツコツ取得の良いところは、自分の空いている日程で研修会に参加できます。
集中講座での取得は長期休暇が必要なので、勤務医にはつらいです。個人的にはせっかくの長期休暇を使いたくないです。
コツコツ取得するほうが費用もかからないのであればなおさらかなと思っています。
ただ、途中で産業医の取得をやめてしまうかもしれない人は短期集中講座のほうがよいかもしれません。
まとめ
ぼくは産業医の基礎研修をコツコツ取得し、産業医となりました。
ちなみに現在、ぼくは20か所の嘱託産業医を行っていますが、予防医学の勉強になるし、単価も高いからおすすめです。
産業医の資格は比較的簡単に取得できますが、実際に案件を取得するのが大変です。
案件獲得方法についてはまた別記事があります。
また短期集中講座のまとめ記事作成しました。
こちらからどうぞ。
産業医のまとめ記事はこちらから。